
2026年度春学期の「地域文化論III」(日吉・金2)は、気鋭のロシア音楽研究者、山本明尚先生による「ロシア音楽における自己と他者」。ロシアの音楽を通じて「民衆」という概念の意味を多角的に考える、必聴の講義です。
講義の概要
ロシア・ソ連の音楽文化における民衆表象の問題を重点的に解説する講義。
ロシアの(特に都市の)文化においては、ほとんど常に自己あるいは他者としての民衆の表象が問題となってきました。作曲家が自身の音楽のなかで民謡を引用したり、地方に出かけて民族音楽を取材したりといった実践は、19世紀以降のロシア音楽史において顕著に見られる現象です。
講義のテーマ
本講義では、ロシア文化における他者表象の諸相を音楽を通じて考察します。
- こうした実践が帝国主義的なもの、オリエンタリズム的なものとどう異なり、あるいは重なるのか
- ナロードニキ運動をはじめとする当時の思想的・社会的文脈のなかで、このような行動がいかなる問題系の上に成立していたのか
- 現在の視点からそれがどのように意義づけられるのか
音楽という切り口から、ロシア文化の深層にある「自己」と「他者」の関係を問い直す内容です。
授業情報
- 科目名:地域文化論III
- 担当:山本明尚
- 時限:金2(日吉キャンパス)
- 学期:2026年度春学期
写真:チャイコフスキー作品を演奏するモスクワのオーケストラ(2026年2月、山本明尚撮影)